[chapter12]

どうしよう…

合コンに誘われたれんは、何の経験もなかった。
異性と話した事もなければ、異性と手を繋いだ事すらない。ましてや合コンなんて。
それもそのはず、れんは女子校育ち。中学時代を女子に囲まれて育ってきた上に、このおとなしさで、異性と触れ合う機会を持つ事は一切合切なかった。

合コン…行きたいと思わないなぁ。

でも半ば強引だったけど誘われちゃったし、と、れんは机に突っ伏した。
その様子を、挂は片肘をついて眺めていた。

「何吹き込まれたんだか。」

隣で正吾が溜め息混じりに言った。

「あの豚の事だから非常識な事だろ。」

挂が訝しげに言うと、正吾はしばらく挂の様子を眺め、「気になる?」と言った。

「…ちょっとね。」

視線の先を変えぬまま挂が呟く。
挂の視線の先で、机に突っ伏したままのれんが唸る。



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